妖怪なんて見たくない!
「なんで妖怪が嫌いなの?」
「…………てめぇには関係ねえ」
そう言って立ち上がってすたすた歩き出す。
「でも柊木くん、人間も嫌いでしょう」
声をかけたけれど。
柊木蘭はもう、振り返らなかった。
分かってしまった気がする。
自分の殺した妖怪にしっかりと手を合わせた柊木蘭。
そのあとにいつものきつい感じがなかった柊木蘭。
嫌いなはずの私にも忠告してくれた柊木蘭。
それから、妖怪への言動。
学校での、柊木蘭。