妖怪なんて見たくない!
「………またおまえかよ」
やっぱり、いた。
今日は誰もいない夜の公園のベンチに腰掛けて、下に広がる町を見ていた。
「私決めたから」
ベンチに座る柊木蘭のそばまで行って宣言する。
「…………」
返事をしないのはこいつが無口なだけろう。
そう思って続ける。
「あんたと葉折くんに、妖怪の良さとか、人間の良さとか教えてあげる。」
「ハッ、無理だろ」
「まずはあんたの親友の葉折くんに認めさせてやるから。
………………………………………見てろよ」