妖怪なんて見たくない!
『まーたお節介してるわ』
『面倒なことするね、七波』
昨日の夜、燈桜と歩積には柊木蘭と葉折くんの話をして、これからどうするつもりとか、全部話した。
二人は隣町まで私を迎えに来てくれた。
「いいでしょ。見てらんないの。」
『昔の自分を見てるみたいで?』
鋭い一言を言う燈桜。
「うん」
三人で並んで歩く。
「今の私たちみたいに。
妖怪だって心があって、人間とそんなに変わらないってこと、知ってほしいんだ」
『やだ、ちがうでしょ』
「えっ、否定するの燈桜?!」
『僕たち、七波みたいな人間みたいに
ブサイクじゃないよ』
「うわっ、それケンカ売ってるでしょ!」
『やん、怒らないで七波ったら♥』
私たち3人はギャーギャー騒ぎながら帰った。
きっと傍から見たら私は一人で喋る変な人。
でもそれでもいい。
知ってほしい人にわかってもらえれば。
燈桜や、歩積がいるならば。
いつか柊木蘭や葉折くんにも、
こんな気持ちを、知ってほしい。