妖怪なんて見たくない!
救われた気がしたんだ
俺はついに。
七波に話そうと思ってしまった。
この2週間、
七波は本当に俺にずっと付いてきた。
休日だって、
朝早くから仕事を手伝ってくれた。
俺にしつこくいろんな質問する訳じゃなくて。
学校でのこととか、
全然関係ないことしか話さなかった。
いつだったか、こんなことがあった。
「深月くん、中、高校あたりから人間不信が強まったでしょ」
「えっ、なんでそう思うの?」
実際、そうだったから驚いた。
「やっぱり」
嬉しそうににやーっと笑った七波。
七波は美人だ。
自分の容姿にあんまり頓着しないタイプなのか、髪の毛は伸ばしたまま、いつも遊ばせたまんま。
たまに距離が近いとびっくりする。
でもたまにぼーっとどこか違う世界を見ているような時があって。
人間でいて違うような、
中性的な不安定さを感じる。