妖怪なんて見たくない!
救われた気がしたんだ






俺はついに。

七波に話そうと思ってしまった。


この2週間、
七波は本当に俺にずっと付いてきた。

休日だって、
朝早くから仕事を手伝ってくれた。


俺にしつこくいろんな質問する訳じゃなくて。

学校でのこととか、
全然関係ないことしか話さなかった。


いつだったか、こんなことがあった。


「深月くん、中、高校あたりから人間不信が強まったでしょ」

「えっ、なんでそう思うの?」

実際、そうだったから驚いた。


「やっぱり」

嬉しそうににやーっと笑った七波。


七波は美人だ。

自分の容姿にあんまり頓着しないタイプなのか、髪の毛は伸ばしたまま、いつも遊ばせたまんま。

たまに距離が近いとびっくりする。


でもたまにぼーっとどこか違う世界を見ているような時があって。


人間でいて違うような、
中性的な不安定さを感じる。

< 118 / 482 >

この作品をシェア

pagetop