妖怪なんて見たくない!
「なんかさ、二人の人間嫌いはさぁ。
妖怪視えてなくてもきっと、中学、高校くらいになってたよ。」
「どういう意味なのそれ」
苦笑しながら聞くと。
「二人はびっくりするくらいイケメンだよ。
だから女の子にモテすぎて人間嫌いが増したんだよ。」
ふわふわと笑う七波。
「えー、俺、蘭ほどかっこよくないし」
「何言ってんの」
軽やかに近寄ってくる七波。
「深月くんは人を気遣えるし蘭みたいに無愛想じゃないでしょ。
本当は辛いのにいつも笑顔を絶やさないでいられるのは、才能だよ」
にこっ、と笑う七波。
「きっと蘭も。
深月くんがいてくれるから、
あれ以上自分を捨てないで保ててるんだよ。
きっと深月くんがいなければ、
蘭だって孤独で壊れちゃうよ」