妖怪なんて見たくない!


あの時。

初めて救われた気がしたんだ。



長い間、自分は蘭の重石になっていないか、ずっとそんな不安が胸にあったから。


「そう、なのかな……」

「そうでしょ」


静かに微笑む七波。


あの時俺はたぶん。




今まで抱いたことのない気持ちを

知ってしまったんだ。



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