妖怪なんて見たくない!
「……お前が前に言ったみたいに。
妖怪は嫌いだけど、人間も嫌いだ。
どうしたいんだろうな、俺」
下を向いて静かに話す蘭。
「…………蘭が間違った方向に進まなければいいんだよ」
「…………は?」
「自分さえ間違わなければ、
信じられるものたちがあとからあとから、
付いてくるようになるから。」
私がそう言うと、
珍しく眉を寄せてハテナな表情を見せる蘭。
「これは経験談!」
そう言ってニヤッと笑ってみせると。
「ハンッ……ブスの経験談なんて
アテになるかよ」
ニヤッと笑って夜空を見上げる蘭。