妖怪なんて見たくない!
次の日。
「おはよう、燈桜、歩積。
心配してきてくれたんだ。ありがとう」
『…………全く。忙しいわね、私の七波は』
『僕らが見守ってなくちゃだもんね』
今日はいつも通り、
制服を着て家を出たけど。
燈桜と歩積も一緒。
そして。
ーーーープルルル、プルルル…………
〈はい、〇〇高校です〉
「おはようございます。わたくし、2年D組の、折原七波の母です」
お母さんの声マネをすると。
〈ああ、はいはい。どうされました?〉
まったく本人だなんて気づかない先生は
話を続ける。
「娘が熱を出してしまったので、
今日はお休みさせていただきたいのですが……」