妖怪なんて見たくない!
それが、昨日のことだった。
お昼休み。
校舎裏で深月と昼を食べていたところ。
「あっ、ねえ、蘭。今日さ……」
深月が何かを言おうとしたところで。
ーーーーーープルルル、プルルル………
携帯が鳴った。
「………わりぃ」
表示されている電話番号は、
凛のいる病院だった。
指を画面にスライドさせて、耳に当てる。
「…………はい、柊木です」
〈あ!よかったーっ!お兄さんっ!
凛ちゃんが、目を覚ましましたんです!〉