妖怪なんて見たくない!


諦めないで、よかった。

凛が俺を信じてくれて、よかった。



『妖怪も人間も信じられないのは、
苦しいことだよ』


いつかあいつが言っていたことを思い出す。


こういうことかもしれないな。


俺はどこかでずっと。

凛が目を覚ましたら、
俺のことを気味悪がるかもしれないって、


思ってたのかもしれない。



ポン、と俺の方に手が置かれる。


「深月……………」


「よかった………本当によかった……!
おめでとう、蘭、凛ちゃん」


泣きながら笑う、深月。


「よがっだ………!

これで蘭も、苦しいことをし続けなくて済むんだよね………!」



こいつも。

ずっと俺を信じてくれていたんだ。


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