妖怪なんて見たくない!
「ここだよ」
「で、でか………」
神凪さんに案内してもらった道元家は。
周りを竹やぶに囲まれた、
和風の大きなお屋敷だった。
「さて、行くんでしょ?」
にこにこと怪しげな笑顔を浮かべて私を振り返る神凪さん。
「…………やっぱり、神凪さんは外で待っててもらったほうが………」
今頃、よく知りもしない金髪を連れて来てしまったことに不安を覚えた私。
「いやいや!ここまで来たんですから!
さあ!楽しもう!」
『楽しもう』と言ってる時点で。
(ああ、連れてこなければよかった………)
そうしてスタスタと先に門を越えてしまった神凪さんにしぶしぶついていく私。
いやいや。
私は私のするべきことをするだけだ。
手を貸してくれるっていうんだから
『信じ』なきゃだめ。