妖怪なんて見たくない!


牛の妖怪は私に、腕を伸ばして向ける。


大方、念力みたいなもので私を家から追い出そうとしてるんだと思う。



でも。

(ごめんね)

私は心の中で謝って、
心の中で、やりたいことをイメージする。


すると。

「おおっ!」

神凪さんの嬉しそうな声。


『うわあっ!』

『なんだこれはっ!』

妖怪たちが家の中で突然巻き起こった風に取り込まれる。


そして近くにあった窓がひとりでに開き、
妖怪たちは風に乗って一人ずつ出されていく。
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