妖怪なんて見たくない!
「えっ?!」
やばっ………と思ったのもつかの間。
「はい、ザンネーン。
君の後ろにも、まだいるぞ♪」
その声が聞こえたあと、
ぱたりと気を失って倒れた妖怪。
「か、神凪さん……ありがとうございます」
「いえいえ。君の力に感動して、
つい手を貸しちゃった♪
もし俺の予想に反して君が弱かったら
捨ててこうと思ってたんだけど、
予想以上に強くてびっくりしたよ」
捨ててこうとしてたのね………
でも手を貸してくれたからよしとしよう。
いざとなったら私もこいつを捨てて
逃げてやろう。
案外神凪さんは恐ろしいひとだった。