妖怪なんて見たくない!


「…………君は、何というのかな」

私に、話しかける道元孝志郎。


「……………折原、七波といいます」


「………折原さん。
彼らは最初から、妖怪を憎んでいたんだ。

私は彼らにその退治やり方を、やる機会を
与えただけだ」


うそ。

最初はそうだったかもしれない。



でも。

「深月くんには、妖怪を使役させたんでしょう?

本人は嫌だって言ったのに」


ピクリと、まゆを動かす道元さん。


「蘭には、深月くんと妹の凛ちゃんのことで脅して、妖怪を殺させているんでしょう?」


「…………なぜそんなことを知っている?」


「………深月くんから聞きました。

身寄りのない二人を拾ってくれたことは、
二人とも感謝してると思います。

でも、無理矢理妖怪を殺させるのは、
ちがうでしょう?」

< 180 / 482 >

この作品をシェア

pagetop