妖怪なんて見たくない!
「…………君は、何というのかな」
私に、話しかける道元孝志郎。
「……………折原、七波といいます」
「………折原さん。
彼らは最初から、妖怪を憎んでいたんだ。
私は彼らにその退治やり方を、やる機会を
与えただけだ」
うそ。
最初はそうだったかもしれない。
でも。
「深月くんには、妖怪を使役させたんでしょう?
本人は嫌だって言ったのに」
ピクリと、まゆを動かす道元さん。
「蘭には、深月くんと妹の凛ちゃんのことで脅して、妖怪を殺させているんでしょう?」
「…………なぜそんなことを知っている?」
「………深月くんから聞きました。
身寄りのない二人を拾ってくれたことは、
二人とも感謝してると思います。
でも、無理矢理妖怪を殺させるのは、
ちがうでしょう?」