妖怪なんて見たくない!
「ひゅ〜♪いいぞ、蘭くんっ♡」
響く、神凪さんの声。
一瞬、蘭は鋭く神凪さんを睨んでたけど。
「………どういうことだ、蘭?」
さっきまでとは打って変わって声が低くなった道元さん。
「………言った通りです。やめます」
真っ直ぐに道元さんを見て言う蘭。
「………お前の妹の治療費はどうするつもりだ」
「凛ちゃん、起きましたんで」
にっこりと口を挟む、深月くん。
「何だと?」
「えっ?なになに?」
小声で聞いてくる神凪さん。
「蘭の妹が今まで意識不明で入院してて、その病院のお金を道元さんが払ってたらしいんです」
ひそひそと耳打ちをして教えてあげる。
「そんな奴に教えなくていいよ」
そう言って深月くんに手を引かれる。