妖怪なんて見たくない!


「………だまれ、黎明」

道元さんはそう言ったけど。



「やだね。

お前は妖怪の敵。つまり、俺の敵。


あの子は絶えられなくなって、
泣きながら俺のところに来たんだよ。



『殺してください』ってね。



今までそんなことをお願いしに来た妖怪なんていなかったから、よく覚えてるよ。

狐のお面を被った、小さな男の子」



ひどい。


「………その子は、結局、どうしたの?」





神凪さんに言うと。







「殺したよ。依頼だもん」



そう、答えた。



< 204 / 482 >

この作品をシェア

pagetop