妖怪なんて見たくない!
「………だまれ、黎明」
道元さんはそう言ったけど。
「やだね。
お前は妖怪の敵。つまり、俺の敵。
あの子は絶えられなくなって、
泣きながら俺のところに来たんだよ。
『殺してください』ってね。
今までそんなことをお願いしに来た妖怪なんていなかったから、よく覚えてるよ。
狐のお面を被った、小さな男の子」
ひどい。
「………その子は、結局、どうしたの?」
神凪さんに言うと。
「殺したよ。依頼だもん」
そう、答えた。