妖怪なんて見たくない!

「私は蘭くんじゃなくても目の保養が自分のクラスにあるからたまに見るくらいでいいや」

「目の保養?だれ?」

と聞くと。



「ほら、うちのクラスにもいるじゃん!」


葉月が目をやったのは、

「ああ、葉折くんか」


私と正反対の位置、廊下側の一番前の席に座る男の子。


葉折深月(はおりみづき)くん。

女の子みたいなカワイイ顔立ちをした男の子。

うちのクラスだけでも、半分以上の女子が彼を好きだとかなんとか、


「あのマッシュみたいで揃いきってない髪型!
なーんかツボなんだよね。

もう、美少年!

性格もイケメンだしさー!
わけ隔てなく優しい!」


あーだこーだと熱弁を振るう葉月。


そんなに大声で話すと聞こえちゃうんじゃない?

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