妖怪なんて見たくない!
「ごっめーん!
何かしんみりさせちゃったね!
もうやだっ!俺ったらもう!」
そう言って話を切って私をあるものの前へ連れて行く。
「これが、あの時封印した妖怪なんだ」
そこにあったのは綺麗な透明の緑色の石。
「俺一人じゃ、解除できなくなっちゃったんだよね。
なにせ封印したのは10年前、俺がまだ16歳の時だったからね。
解除して、もう自由にしてあげたいんだ。
悲しみだってもう、癒えた頃だろうから」
「10年前……」
『あの人』がいなくなったのも、
10年前だった。
「手伝ってくれる?」