妖怪なんて見たくない!
「…………峰葉?」
そう言って入ると。
『…………七波』
布団にいた峰葉は、体を起こす。
『………私はまた、幻が見えているよ』
そう言って、私に優しく、笑う。
「…………本物だよ」
『幻はいつでも、そう言うものだ。
でもせっかく、幻でも七波に会えたんだ。
何か話そう』
「うん」
『あの頃』のように、優しく、
私に話しかけてくれる峰葉。
やっと会えたんだって、また嬉しくなる。