妖怪なんて見たくない!
最初は葉月がそこに決めたんだけど。
その理由が!
「屋上って隠れ告白現場なんだよね。
うちらが見てるのを知らずに告白現場を目撃できるってわけよ!」
ひひひ、と女子高生らしからぬ笑みを見せた葉月が未だに忘れられない。
まあ、そんなに頻繁に見られるわけでもないけどね。
私的に見晴らしもいいし妖怪たちはそんなにいないから気が楽だったからその案に同意したわけ。
と、そこへ向かう途中。
「なんで私じゃダメなの?!」
女の子のすっごい大声が聞こえてきた。
(お、さっきの妖怪が言ってたやつか?)
なんて、興味本位で覗くと。
予想通り男女が向き合って立っていた。
女の子はめちゃくちゃかわいい。
男の子もめっちゃ、いやかなり!イケメンだった。
けど、男の子は壁に寄りかかって、
なんだか偉そうだった。