妖怪なんて見たくない!






ああ、痛い。



こんな面倒くさい妖怪、
消してしまえばいいんじゃないか?



そんな考えが頭をよぎるけど。



『大丈夫ですか?』

『優しいのは神凪さんじゃないですか』

『いつもの作り笑いより好きだなぁ』



あの子は、誰にも気にかけて貰えなかった
『いらない子』の俺を、心配してくれる。



この妖怪が家にいる限り、
あの子は毎日来てくれるから。
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