妖怪なんて見たくない!


私が峰葉さんの家に通い始めてから
3週間が経った。


その日のお昼休み。



「んぁ?」

葉月がパンを頬張りながら変な声を出す。


「どうしたの」

「なんか廊下、騒がしくない?」


耳のいい葉月は、
いつも周りの空気の変化に敏感。


「そう?」

と言ったところで。


「蘭くんだっ!」

誰かがそう言ったのが聞こえる。



蘭?

顔を上げようとしたところで。


私のいた机に影が落ちる。


「おい」

蘭が私の前に立っていた。

…………………怖い顔で。




「…………はい?」

そう言うと。


「ちょっと来い」

ガシッ、と蘭に腕を掴まれる。




キャアアア!



周りの女子たちが悲鳴(?)を上げる。


「えっ!ちょ、蘭!」




蘭は私を教室から連れだした。
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