妖怪なんて見たくない!
『……大丈夫か?七波』
ああ、やってしまった。
泣いて峰葉を困らせてしまったし。
峰葉に蘭を紹介してあげたかったのに、
峰葉に蘭を嫌わせてしまった。
蘭にひどいことを言ってしまった。
「………ごめん。
蘭は、ほんとはすごく優しいんだよ。」
『………ここは、本当に現実なんだな』
峰葉はそう言った。
「……………え?」
今までずっと、私は幻だって言ってたのに。
『最近、だんだん現実なんじゃないかって。
俺は本当に成長した七波に会えたんだって、
思うようになったんだ』
「…………ほんと?ほんとに、ほんと?」
『………ああ。本当だ。
今まで、俺を封印した黎明が俺に叶わない夢を見させてるんじゃないかって、黎明に散々力を奮ってしまった。
悪かった、黎明。』
峰葉は神凪さんに、深く、頭を下げた。