妖怪なんて見たくない!
「もう、やだ。
この子、どうして私の子なの………」
これは、お母さんの口癖だった。
小さい頃から持って生まれた力がうまく使いこなせなくて。
泣いたり怒ったりすると、
感情と一緒に力を暴走させてしまうことがよくあった。
そんな私を、両親は気味悪がった。
妖怪と話しながら歩いているだけなのに。
普通の人から見たら1人で話して笑ってる、
おかしな子。
周りの家にも、私は気味悪がられた。
当然、私には友達なんて一人もいなくて。
「ねえ、仲間に入れて」
「うわっ!七波ちゃんだ」
「やだよ、気持ち悪い」
「来ないで!」
「七波ちゃんと遊んじゃだめって言われてるの」
私はよく泣きながら近くの山まで行って。
山の妖怪たちと一緒に遊んだ。