妖怪なんて見たくない!


「遊ぼう?」

そう言うと。


『俺は人間なんて嫌いだ』

そう言って去ろうとしてしまう。


私は必死に呼び止めた。


「行かないでっ!

いつも遊んでくれる妖怪たちがいないの!

お母さんもお父さんも私を気持ち悪いって言うし、

学校の子たちも私のこと、そう言うの。


……………誰も、いないの」


その妖怪は少しだけ目を見開いて。


『…………一人なのか?』

と聞いてきた。



「うん………」

そう答えると。


『………………分かった。
今日だけ、お前の相手をしてやる』


そうして峰葉は、戸惑いながらも、
私の手をとってくれた。

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