妖怪なんて見たくない!
呼ばれたのは葉月
であって欲しかった。
目の前をずんずん歩くイケメン、柊木蘭。
「え、あれ、D組の折原さんじゃない?!」
「何で折原さんが……」
(うう、こわいよう。
私だってわけわかんないんですけど!
もしかして告白現場見てたのバレた?!
でもあれから2週間も経ってるしなぁ…)
なんて私なりにあれこれ考える。
と。
誰もいなくなった廊下の端っこまで来て
立ち止まる柊木蘭。
「…………」
「…………………おい」
「はいっ」
威圧感のある話し方。こわい。