妖怪なんて見たくない!
「なっなーは!」
「うわっ!」
ドンッ!と葉月がどついてくる。
「何やら深月くんと仲が良さ気だったではありませんかぁ〜」
「いやいや!ふつうふつう!
そんなの他の女子に妬まれちゃうって」
そう言うと葉月は首を振る。
「わかってないなぁ七波は!
深月くんのあのかわいい笑顔を見れて、
深月くんのファンの子たちはもはや深月くんを応援してるのよ」
「応援?なんの?」
「………えー?
あ、次の試合の応援かもね!」
「…………ふーん」
「冷めてんなぁ七波!
次は学年トップクラスのイケメンの
蘭くんと深月くんの対決なのに!」
まだ本番じゃなくて、
今日は普通に練習時間だった気がしたけど。
葉月に言われて周りを見回すと、
女子たちは試合を次々と終わりにして、
男子のバスケコートの周りに集まり始めてる。
本当に、人気なんだなぁ。