妖怪なんて見たくない!


藤さまがそう言うと。


「おおっ!」

「やってやるぞ」

「数いればさすがの神凪でも我々には勝てまい!」


いっきに他の祓い屋たちがやる気を見せ始めた。



「あ、あのっ…………!」

「なんです?深月」


藤さまは俺に目を向ける。


「最近は峰葉も何も事件を起こしていません。
それでも退治の対象になり得るんですか?」


「いい質問ですね」

藤さまはにこっ、と微笑む。





「いくら丸くなったといえど、

犯した罪は償われなくてはいけません。


峰葉はいつまでも、死ぬまで、

退治の対象なのです」





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