妖怪なんて見たくない!
「………よっぽど、そっちのほうがひどいじゃん。」
「なんだい?」
「私には人間側にも居場所がある。
親友だっているし、本当のじゃないけど、
優しい家族だっている。
………道元家みたいな、妖怪を邪険にする生き方じゃなくても、私はちゃんと、生きてこられたよ」
「………フン。話の通じない小娘だ」
藤さんは呆れたようにため息をついて。
「………こいつも共々やっちまおうか」
そう呟く。