妖怪なんて見たくない!


鋭い風が私たちの周りに吹き、
オオカミたちは吹き飛ばされる。



『消えろ!』

歩積が二本の指を向け、上にクイッと
指を動かす。



すると妖怪たちははっ、とした様に
起き上がり、周りを見回す。



「………なにしたの?」

『妖怪の使役の術を解いたんだよ』


ほお。

そんなこともできるのか。


『歩積、久しぶりにキレッキレね』

「出会った頃のトゲトゲの頃のように」


燈桜とぷぷーっ、と笑うと。


『だ、だまってくんない?!』

顔を真っ赤にして言う歩積。

< 409 / 482 >

この作品をシェア

pagetop