妖怪なんて見たくない!
鋭い風が私たちの周りに吹き、
オオカミたちは吹き飛ばされる。
『消えろ!』
歩積が二本の指を向け、上にクイッと
指を動かす。
すると妖怪たちははっ、とした様に
起き上がり、周りを見回す。
「………なにしたの?」
『妖怪の使役の術を解いたんだよ』
ほお。
そんなこともできるのか。
『歩積、久しぶりにキレッキレね』
「出会った頃のトゲトゲの頃のように」
燈桜とぷぷーっ、と笑うと。
『だ、だまってくんない?!』
顔を真っ赤にして言う歩積。