妖怪なんて見たくない!


「まあ、私が動けないババアになったら
お前たちにはいずれ権力を譲る気はあったよ」


悪びれずにそう言う。




「………やっぱり、本性出したねぇ」




そこでムカつく、
俺の知ってる声が聞こえた。


「やっぱり、1番質が悪いのはあなただと思ってましたよ、藤さま」


神凪だ。

今日はいつもと違ってニヤニヤしてない。


何故か後ろには深月もいる。


「本当に醜い人間の代表だね。

…………俺の友だちをこんなにしやがって」


泣きながら、神凪と深月が来たのにも気付かず、治療する七波と。


目を開けない峰葉。

倒れている燈桜や歩積を見て低い声で、
そう言った神凪。



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