妖怪なんて見たくない!

「あの瞬間で、かばいに出るなんて……」


蘭が私を抱きかかえながら、
藤さんの方をきっ、と睨んで。



「このババア………!」


蘭と私の周りに一瞬、風がふわっ、と
起こり。



ダンッ!



藤さんを壁に叩きつける。



「何した?!」

蘭は私の肩をぎゅうっ、と掴む。



「…………」

藤さんは黙っていたけど。


「言え、ババア!」

瞳孔全開で、藤さんを殺さんばかりの目で
睨みつける蘭。




「…………強い妖怪を殺す時用の、術よ。

人間には、当てたことないから。
どうなるかなんて、分からない。」


「あの、術を当てたってこと………?」

深月も、青ざめる。

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