妖怪なんて見たくない!



「七波!」「七波!」「七波ちゃん!」

『七波!』『七波ぁ』『七波っ!』



みんなの、私を呼ぶ声が聞こえる。


「………ふふふ」


なんだかおかしくて。

苦しいのに、笑ってしまう。


「何笑ってんだよ」

蘭が言う。


「ふふ、こんなにたくさんの人に心配なんて……されるの、初めて、だなぁって」

『バカっ!七波!心配させちゃだめでしょう?!』

燈桜はぽろぽろと涙をこぼす。


「ふふ、燈桜が泣くの、初めて見た」

『七波の泣き虫がうつったのよ!』


わーん、と私に抱きつく燈桜。

燈桜はツンデレって言ったら。
前に怒ってたのを思い出す。

かわいいなぁ、ほんとに。


『バカバカ七波っ!死ぬなんてやだぁ!』

歩積も泣きじゃくって私にすがりつく。



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