妖怪なんて見たくない!
そばにいてね。
昔は誰も信じられないって思ってたけど。
今は周りの人たちが愛しくて仕方ない。
みんなに出会えて、よかった。
私の、大切な人たち。
案外、楽しかったんだ。
蘭や深月くん、
神凪さんのために走り回るのも。
葉月と他愛ない話をするのも。
燈桜や歩積と人生ゲームするのだって。
新しく出来た家族に友達の話をするのも。
蘭とはもうちょっと話をしたかったなぁ。
だって、何考えてるか分からないもん。
そうだ。
次に起きた時は。
後悔しないように、
やりたいことは全部やるんだ。
そうだそうだ。
そうしよう。
「七波!」
みんなが呼ぶ声を聞きながら。
私は、ゆっくりと意識を手放した。