妖怪なんて見たくない!
目を開けると。
そこは私の部屋じゃなくて。
神凪さんの家の、私が借りていた部屋。
私はその部屋のベッドの上だった。
「あれ………?」
何してたんだっけ、私。
ああ、そうだ。
神凪さんの家で1ヶ月お泊りしてたんだ。
起きようとしたところで。
クン、と腕が突っ張る。
そうだ、燈桜か歩積が私の手を握って……
と私の腕を目で辿ると。
「…………え」
私の手を握っていたのは。
蘭だった。