妖怪なんて見たくない!
え、
こんな気の抜けた顔する奴だったっけ?
ていうか、なんで蘭が私の部屋に……
「七波」
「うわっ!」
蘭は私の腕をグイッ、と引っぱり。
「………!!」
私をぎゅうっ、と抱きしめた。
(えーーーーーーー?!)
「ら、蘭?!どうしたの?!」
「………守れなくて、悪かった」
はい?!
「…………あ」
そこでだんだん蘇る、私の記憶。
そうだ。
私は道元家の藤さんと戦って。
峰葉をかばったら、
術を受けちゃったんだっけ。