妖怪なんて見たくない!


「へ、平気だよ。………生きてるし」

「………ああ」


そう言いながらも、
蘭はぎゅうっ、とさらに強く抱きしめる。


「い、生きてるよ!」

「………ああ」


蘭はもう、
ぎゅうぎゅうと私を抱きしめる。


「ぐ、ぐるしっ……」


と呻いたところで、ようやく蘭は私を離す。


もしかして。

蘭は私を心配してくれてたんだろうか。


「……ありがとう。

心配なんてされるの、嬉しいな」


「……バカ。心配かけんな」

蘭はそっぽを向く。


なんだか、かわいい。



「………?」


蘭は私の手を取って、両手で握る。


「…………悪かった」


ん?

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