妖怪なんて見たくない!
「…………良い度胸してんなぁおまえ?
この俺に歯向かうなんて」
近づいて来て私の襟をグッと持ち上げる。
こわい。
こいつの目は、こわい。
でも。
「させないから。
私の友達を傷付けようとするなら、
私を殺してからにして!」
私の友達を、傷つけないで。
『七波さま………!』
うるうると涙目になりながら感動している妖怪たち。
「………はっ、やってみろよ。
お前いつか痛い目見るぞ。
『妖怪に魅了された者はろくな末路を迎えない』」
不吉な言葉を残して去っていった柊木蘭。
「なんなの、あいつ………!」