妖怪なんて見たくない!
でも。
いつからか、視えなくても、
彼らはそばにいるってことを感じるようになった。
朝お見送りしてくれていた妖怪たちも。
いる時は玄関に毎日花が置いてあるようになった。
歩いている時も、
なんとなく賑やかな空気を感じる。
夜も。
燈桜や歩積は変わりなく来ているみたいで。
トランプが散らかってたり。
誰もいないはずのベッドが
へこんで、シワが寄ってたり。
いるんだ、って思うときはたくさんある。
私が話をすると、
動いていたトランプも止まる。
たまに筆談もする。
(燈桜は達筆すぎ、歩積は下手すぎて読むのに苦戦するけど)
視えなくても、そんなに変わらないって
いつからか思うようになった。