妖怪なんて見たくない!
妖怪を視えなくても。
燈桜や歩積、峰葉やお見送りの妖怪たち。
神凪さんや深月くん、
蘭との繋がりは絶ちたくなくて。
こうしてたまに、
みんなが私のために集まってくれる。
「峰葉がイチャつきすぎって言ってる」
みんなで部屋でお茶を飲んでると、
深月くんが私と蘭を見ながら言う。
私が聞こえない声は、深月くんや神凪さん、蘭が通訳してくれる。
「………うるせえよ」
「えー、じゃあ峰葉も私の隣来てよ」
「………おい、七波」
『じゃあ、行こうかな』
「うん、来てよ」
たまに声が聞こえる時も、ある。