妖怪なんて見たくない!
私が中学3年の、暑ーい夏の日のこと。
(やばい、遅れる!)
夏休みの、受験に向けた学校の補習。
私は時間ギリギリだったから、
すっごく急いでいた。
と。
『どうしようか、私は死んでしまうのか』
目の前で座り込んでぶつぶつ喋ってる
かっぱ。
『ああ、どうしようどうしよう』
大変困っている様子。
時計を見る。
(完全、遅刻コースだ)
諦めて近寄る。
「どうしたの?」
と聞くと。
『ややっ!人間!私が視えるのですか?』
「視えちゃうんだよね」
『むむっ、人間………』
警戒されてるなぁ。