妖怪なんて見たくない!
どうして、葉折くんはあんな顔をしてたんだろう。
『どうしたの?七波』
あの後、ぼんやりしながら家へ帰った。
いつものように部屋にいた燈桜と歩積は
私を心配して頭を撫でる。
「うん……。なんか、さぁ。
人間に妖怪が視えるのは、どういうことなんだろうね」
『……そうだね。お互い、関わらないほうが
うまくやっていけるよね、ホントは』
歩積は視線を床にやりながらぽつんと呟
く。
「………そうじゃないよ」
そうじゃなくて。
「私と燈桜や歩積、お見送りしてくれる
妖怪たちはうまくやれてる。
みんな、こうできればいいのにね」