妖怪なんて見たくない!
燈桜
私が燈桜に出会ったのは。
12歳、小学6年生の時だった。
ミーンミンミンミン…………
(ああ、暑い…!)
夏休み、お盆の頃。
セミのうるささと夏の暑さがピークを迎える時期。
「七波。疲れたでしょう?
お母さんたちはここでまだやることがあるから、その辺で遊んでていいわよ」
「ほんと?」
「ええ。しばらくしたら呼びにいくから」
その日はお母さん、お父さんとお墓参りに来ていた。