妖怪なんて見たくない!


その男の子の妖怪はものすごい怒り狂った顔で私に力を向ける。


『あれ、多分私に気づいてないわ』

燈桜が言う。


「えっ?どういうこと?」

『きっと、人間への怒りで人間のあなた以外、目に入らないんでしょうね』



そんなにひどいことされたの?



『許さない、許さない…………!』

男の子はただ、ひたすらそれだけを呟いている。


< 77 / 482 >

この作品をシェア

pagetop