妖怪なんて見たくない!
「…………せっかく石から出られたのに、
意味ないね」
『何………?!』
男の子の整った目元に、青筋が浮かぶ。
「せっかく自由になったのに。
怒ってる時間がもったいないよ。
それで人間を殺してまわれば、やってること、君を閉じ込めた奴と変わらないよ」
それを言うと、悔しそうに歪められる、
男の子の顔。
『じゃあ………っ、どうしろって、言うんだ………!』
本当に私は、何も考えずに言ってしまった。
「私を倒しにきなよ!」
『は………?』
「私が毎日戦ってあげるから!
私を殺せたら、他の人間を殺してもいいから!
約束して!
私を倒すまで他の人間を襲わないって!
あっ、学校行ってる間は困るから、来るなら日が落ちてから私が寝るまでの間に戦いに来てね!」