妖怪なんて見たくない!
いつもより1時間早く校門を通ってぼーっと歩いていると。
「おはよう、折原さん」
後ろから葉折くんの声がした。
「おはよう、葉折くん」
朝早いんだね。
と言おうとしながら振り返ると。
「………げ」
「…………」
葉折くんの横には、冷たい目で私を睨む、
柊木蘭がいた。
「蘭、睨みすぎだよ」
葉折くんが笑顔でたしなめるけど。
「……うっせ」
(うわ、ほんとにかわいくない奴……)
朝早いからか、周りには生徒は一人もいなかった。