妖怪なんて見たくない!



私が二人から離れて、教室に行った後。


「……………ムカつく」

むすっ、とした顔でつぶやく蘭。


「…………どうして?」

「昨日、俺は本気で力を出してた。

あいつ、俺ぐらいはっきりと視えてるし
力も持ってる」



「なんで今まで、どの祓い屋にも、
目を付けられなかったんだろうね?」


「…………さあ。
でも深月。お前、あんな奴信じるなよ。

視えても視えなくても、誰も信じるな。
俺のことも。」


厳しい目で深月に言う蘭。



「…………重症だね、俺たち」

「………ああ、ホントな」



< 90 / 482 >

この作品をシェア

pagetop