妖怪なんて見たくない!

「………俺らの同級生だ」

硬い声で、応える柊木蘭。


「ほう……?」

「こ、こんにちは……」


「………………ふん、行くぞ。
全く、こんな所で道草食いやがって」

それきり、私には興味が失せたようにすたすたと歩き出す男の人。


「だ、誰……?」

葉折くんに聞くと。


「俺たちがお世話になってる祓い屋の一番偉い人」

緊張した顔のまま、小声で教えてくれる葉折くん。



「蘭、深月!早く来いっ!仕事だ!

ったく……誰が面倒見てやってると思ってんだ!」

遠くでその人が二人を呼ぶ。


「…………ちっ」

さっきよりも超恐い顔で歩き出す蘭。


「またね、折原さん!ごめんねっ!」

蘭に続いて、葉折くんも急いで去っていく。


「うん、ばいばい……」



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