妖怪なんて見たくない!
なんだったんだろう。
ぽかーん、としていると。
「おやー?!さっきのは道元家(どうげんけ)の孝志郎(こうしろう)さんじゃん」
近くで声が聞こえる。
『孝志郎殿でしたね』
そっちを見ると。
パーカーを着て、長身の金髪の男がいた。
その人は猫背で、ニコニコと笑みを浮かべていた。
見た目は20代後半くらいかな?
や、ヤンキー……?
「あれっ!君、俺のこと見えるの?!」
ヤンキーは私と目があって、嬉しそうに
話しかけてくる。
「えっ……?見えますけど」
だって、人間じゃん、あんた。
と思ったけど。