妖怪なんて見たくない!
「さっきの道元には見破られなかったんだけど!
うっはー!
俺、やばい子見っけちゃった!」
一人でるんるんしゃべる金髪。
………意味分かんない。
隣の、長い髪で真っ白い肌の男の妖怪も
ため息をついている。
「さっきの道元ってやつ、祓い屋の間じゃ有名なんだぜ。」
なおも私に話しかける男。
「へえ……」
「しかもさっきいた男!
柊木蘭っつーんだけどさぁ!
強ぇーんだよ、あいつの力!
噂じゃ道元のお気に入りらしいぜ」
「お気に入り?」
「妖怪を毛嫌いしてるんだよ、道元のご主人は。
そんで一番強い弟子が妖怪大ッ嫌いだから気に入ってるんだとよ。
妖怪嫌いとか、ばかばかし」
笑顔を絶やさないでペラペラ話す男の人。
そしてひとしきり一人で喋ったあと。
「君、名前なんてぇーの?
俺、神凪黎明(かんなぎれいめい)!
俺のとこでアルバイトしない?」